GLEIFが発行した新しい「登録当局リスト」が、取引主体識別子の信頼性をさらに向上
新しいGLEIF登録当局リストが、取引主体と地方当局資料の相互参照を標準化
2016年8月31日に、Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF)は新しい「登録当局リスト」を発行しました(以下の「関連リンク」参照)。652の商業登記簿およびその他の関連登録当局資料を含み、リストの各登録者に個別コードを割り当てています。将来は、取引主体識別子(LEI)発行組織が、彼らのLEI発行プロセスおよび報告で、このコードを参照するでしょう。
GLEIF登録当局リストの実施は、LEIデータの信頼性と有用性をさらに増加させます。
要約:取引主体のデータと地方登録当局資料の相互参照
LEIが主要な参照情報につなぎ、金融取引に参加する取引主体の、明確で固有の識別を可能にします。簡単に言うと、一般に公開されたlEIデータプールは、金融市場の透明性を大幅に高めるための国際的なディレクトリーとみなすことができます。データプールがこの目的を満たす能力は、信頼できる、オープンで確かなデータが入手可能かによって左右されます。
LEIデータ品質を保証するプロセスは、登録主体のところで始まります。登録主体は、自己登録によって、正確な取引主体参照データを、選択したLEI発行組織に提供しなければなりません。LEI発行組織(あるいは「付番機関」またはLOU)が、登録、更新、その他のサービスを提供し、LEIを取得しようとする取引主体の主要なインターフェースの役割を果たします。
GLEIFが発行する登録当局リストは、取引主体と地方登録当局資料の相互参照を、はじめて標準化します。GLEIFは、このリストによって、LEIデータの利用者が、LEIを他のデータソースにより簡単にリンクさせることができるようにします。
LEI発行組織は、確実に、地方登録当局資料との相互参照が標準化され、LEI記録に含まれるようにしなければならない
LEIデータの利用者は、取引主体に関連付けれられた当局資料を特定することができるようになります。関連コードは、LEI記録の情報の一部となります。全てのLEI記録が公開され、GLEIFウェブサイトで無料で簡単にアクセスできます(以下の「グローバルLEIインデックス」へのリンクを参照)。
「共通データファイル」(CDF)フォーマット(以下の「関連リンク」参照)は、LEI発行組織がLEIおよび関連参照データを報告する方法について定義しています。この標準に基づき、LEI発行組織は、「BusinessRegisterEntityID(商業登記主体ID)」フィールドを使って、取引主体に関連付けられた、地方登録当局資料を特定します。それには以下の二つの要素が含まれます。
- 登録:商業登記簿、または主体IDの値を提供したその他の登録当局を識別するコード(次の項目を参照)。将来は、GLEIF登録当局リストに含まれる当局資料に割り当てられるコードになるでしょう。
- 主体ID:当局資料で管理される、取引主体の識別子(ローカルナンバー)。
IDが入手できない場合、登記簿は、主体IDなしで報告される場合もあります。
GLEIF登録当局リストの実施
GLEIFは、以下の基準に基づき、登録当局リストで、LEI発行組織のコンプライアンスを監視します。
- 登録当局リスト発行日から12か月以内に、その日以降に発行された全LEIの99パーセントに、このリストで指定された登録当局コードと、その当局資料で使用される主体IDを、主体の特定のために表記しなければなりません。
- 登録当局リスト発行日から18ヶ月以内に、それまでに発行された全LEIの98パーセントが、これらの要件を満たさなければなりません。
GLEIF登録当局リストは、発展し続けます。文書の変更リクエストまたはコメントは、RAList@gleif.org にお送りください。
ブログにコメントされる場合は、識別用にご自分の氏名をご入力ください。コメントの隣にお名前が表示されます。電子メールアドレスは公開されません。掲示板へアクセスまたは参加されることにより、GLEIFブログポリシーに同意されたものと見なされますので、当ポリシーをよくお読みください。
過去のGLEIFブログ記事をすべて見る >
著者について:
シュテファン・ヴォルフは、2014~2024年にGlobal Legal Entity Identifier Foundation(GLEIF)のCEOを務めました。2024年3月以降は、国際商業会議所(ICC)の産業諮問委員会(IAB)でデジタル貿易基準の調整、採用、取り組みにまつわるグローバルプラットフォーム、デジタル標準イニシアティブを率いました。IABの議長に任命される前は2023年からIABの副議長を務めており、同年、ヴォルフはドイツの国際商業会議所(ICC)の理事にも選出されました。
ヴォルフ氏は、2017年1月から2020年6月まで国際標準化機構金融専門委員会FinTech専門諮問グループ(ISO TC 68 FinTech TAG)の副コンビナーを務めていました。2017年1月、ヴォルフ氏は、One World Identityが選ぶトップリーダー100人のひとりに選ばれました。ヴォルフは、データ処理およびグローバルな実施戦略の確立に関して、豊富な経験を持っています。彼はキャリアを通じて、主要なビジネスや製品開発戦略の発展をリードしてきました。また、彼は1989年にISイノベーティブ・ソフトウェア社を共同設立し、初代専務取締役を務めました。その後、同社の後継企業であるIS.テレデータAG取締役会のスポークスマンに選ばれました。同社はその後、インタラクティブ・データ・コーポレーションに買収され、ヴォルフ氏は最高技術責任者に就任しました。彼はフランクフルト・アム・マインのJ.W.ゲーテ大学で経営学の学位を取得しています。
この記事のタグ:
登録当局リスト, 標準, データ品質, LEI発行者(付番機関 – LOU), Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF), データ管理