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LEIに関する数値:LEIデータの新フォーマット導入によるデータ品質の強化

世界の市場にもたらす透明性と信頼を促進


著者: シュテファン・ヴォルフ

  • 日付: 2022-07-27
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Global LEI Foundation (GLEIF) は、無料で公開される四半期ごとのLEIシステムビジネスレポートの発行により、最新のLEIデータに対して世界中に無制限のアクセスを提供するというオープンなアプローチなど、透明性に関するイニシアティブを継続していることを誇りに思っています。このブログシリーズ「LEIに関する数値」を通じて、GLEIFは、最新のレポートから主要データを取り上げてトレンドを説明し、世界全体へのLEIの本格展開に関して成功した状況を伝えていくことを目指しています。

2022年第2四半期を対象とする最新のレポートでは、同四半期に世界で発行されたLEIは5万6,000件を超えたことが明らかになり、四半期の伸び率は2.8% となりました。その結果、有効なLEIの全体数は207万件に達しています。

前四半期のデータのさらなる概要については、以下のインフォグラフィックにおいて2022年第2四半期の主要統計を網羅しています。

いわゆる「競争市場」とは、管轄区域でサービスを提供するLEI発行者の数に基づいて、1,000を超えるLEIのある市場を指します。競争の極めて激しい市場とは、同様の市場シェアで管轄区域当たりのLEI発行者の数が極めて多い市場であり、競争の極めて少ない市場についてはその逆になります。

第2四半期のレポートは、ROCの最新方針にまとめられている、LEIの新データフォーマットからの抽出データを盛り込んだ初のレポートになります。これらの新フォーマットでは、それぞれのLEIに含まれるデータの範囲が拡大し、グローバル市場での透明性がさらに一段と向上し、あらゆる地域のユーザーにとってグローバルLEIインデックスの有用性が広がりました。

まず第一に、今回の変更によって、公共部門の取引主体を構造的に分類できるようになり、特定の取引主体を一般政府機関や国際機関として区分できるようになります。第2四半期において、おおよそ4,000の政府機関と14の国際機関が報告されました。

第2に、LEIの新フォーマットでは現在、取引主体のイベントデータを取り込む必要があります。こうした拡張によって、グローバルLEIシステムは進化を遂げて、GLEISのユーザーが、取引主体自体、または取引主体の他の取引主体との法的関係のいずれかの更新や変更を行う特定のイベントを識別して追跡できるため、取引主体について最も正確かつ最新の情報の提供できるようになります。時間の経過と共に、こうした状況を受けて、名称変更や法人形態の変更などの単純なイベント、ならびに逆買収、合併、買収などのより複雑なイベントの両方により、旧LEIの廃止と新LEIの作成が促されるでしょう。

最後に、投資ファンドに影響を及ぼす取引主体の関係性を記録する方法をアップデートすることにより、新たなデータフォーマットでは、グローバルレベルでのファンドの関係性情報の収集の標準化も促進されます。前四半期の数値からは、ファンド管理会社 (75.6%)、アンブレラ構造 (23.9%)、マスター・フィーダー の関係性 (0.5%) といった3種類の個々のファンドの関係性タイプにおいて、5万7,000の取引主体がファンドの関係性を報告したことが明らかになっています。

新方針は、既に有意義な影響をもたらしており、業界に歓迎されています。

「LEIの認定発行者として、Bloombergは、新たな共通データファイルフォーマットを歓迎します」と、BloombergのシンボロジーおよびLEIサービス担当グローバル責任者であるスティーブ・メイザニス氏は述べました。「投資信託、政府機関、企業のイベントについて収集される追加データによって、LEIは、進化しつつある取引主体の識別に関するニーズに対応できるでしょう。当社は、LEIの採用に対する世界規模の取り組みの一翼を担い、金融データの品質を強化し、資本市場に透明性と一貫性の向上をもたらしていることを誇りに思っています。」

LEI発行の現況と成長可能性、グローバルLEIシステム内のLEI発行組織間の競争水準、レベル1およびレベル2の参照データの詳細を盛り込んだレポート全文については、グローバルLEIシステムビジネスレポートのページをご覧ください。

2022年3月に、CDFフォーマットが規制監視委員会 (ROC) ポリシーに基づいて更新されたことに注意してください:取引主体イベント(旧称「企業行動」)とグローバルLEIシステムのデータ履歴、ファンド関係に関するポリシー及びグローバルLEIシステムへの投資ファンドの登録に関するガイドライン、一般政府機関のLEI適格性ガイダンス文書です。

日々更新される最新のLEIデータの確認にご興味がある場合、グローバルLEIシステム統計ダッシュボードには発行済みのLEIの合計数と稼働数に関する日次統計が含まれています。この機能により、今ではユーザーは地域別の過去実績データをレビューできるようになり、LEIの進捗状況全体の透明性が高まっています。

詳細について、または過去実績デーダにアクセスするには、グローバルLEIシステムビジネスレポートアーカイブをご覧ください。2022年も引き続きLEI採用を推進していくため、各四半期の進捗状況についてお伝えできるのを楽しみにしています。

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著者について:

シュテファン・ヴォルフは、2014~2024年にGlobal Legal Entity Identifier Foundation(GLEIF)のCEOを務めました。2024年3月以降は、国際商業会議所(ICC)の産業諮問委員会(IAB)でデジタル貿易基準の調整、採用、取り組みにまつわるグローバルプラットフォーム、デジタル標準イニシアティブを率いました。IABの議長に任命される前は2023年からIABの副議長を務めており、同年、ヴォルフはドイツの国際商業会議所(ICC)の理事にも選出されました。

ヴォルフ氏は、2017年1月から2020年6月まで国際標準化機構金融専門委員会FinTech専門諮問グループ(ISO TC 68 FinTech TAG)の副コンビナーを務めていました。2017年1月、ヴォルフ氏は、One World Identityが選ぶトップリーダー100人のひとりに選ばれました。ヴォルフは、データ処理およびグローバルな実施戦略の確立に関して、豊富な経験を持っています。彼はキャリアを通じて、主要なビジネスや製品開発戦略の発展をリードしてきました。また、彼は1989年にISイノベーティブ・ソフトウェア社を共同設立し、初代専務取締役を務めました。その後、同社の後継企業であるIS.テレデータAG取締役会のスポークスマンに選ばれました。同社はその後、インタラクティブ・データ・コーポレーションに買収され、ヴォルフ氏は最高技術責任者に就任しました。彼はフランクフルト・アム・マインのJ.W.ゲーテ大学で経営学の学位を取得しています。


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グローバルLEIシステムビジネスレポート, グローバルLEIインデックス, Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF), LEI発行者(付番機関 – LOU), LEIの更新, オープンデータ, データ管理, レベル1 / 名刺データ(誰が誰か), レベル2 / 関係データ(誰が誰の親会社か)