数字で見るLEI: 2024年 – 画期的な年
10年経った現在でも、検証可能な組織の識別の必要性が世界中で増す中、グローバルLEIシステムは引き続き大幅かつ持続的な成長を遂げています。
Global LEI Foundation (GLEIF) は、無料で公開される四半期ごとのLEIシステムビジネスレポートの発行により、最新のLEIデータに対して世界中に無制限のアクセスを提供するというオープンなアプローチなど、透明性に関するイニシアティブを継続していることを誇りに思っています。このブログシリーズ「LEIに関する数値」を通じて、GLEIFは、最新のレポートから主要データを取り上げてトレンドを説明し、世界全体へのLEIの本格展開に関して成功した状況を伝えていくことを目指しています。
10年前のサービス開始以来、グローバルLEIシステムは取引主体の識別方法に革命をもたらし、当初の資本市場における利用開始をはるかに超えて、さまざまな利用事例に前例のない信頼性と透明性をもたらしました。
この広範囲に及ぶメリットは、システムの大幅かつ持続的な拡大につながり、それは2024年にも続きました。新規発行されたLEIは27万8,000件以上にのぼり、有効なLEIの総数は263万を超え、年間成長率は11.5%に達しました。
2024年に発行件数の伸びが最も大きかったインドでは、増加率35.9%を記録し、有効なLEIの件数が世界で2番目に多い管轄区域となっています。こうしたマイルストーンは、インド経済にLEIを組み込むための積極的かつ継続的な規制プログラムの累積的な影響を反映しており、標準化された検証可能な組織の識別性が、世界中で信頼と透明性をさらに強化できることを説得力を持って示しています。
2025年に向けて、「公共財」としてのLEIの価値をさらに高める明確な機会が生まれようとしています。検証可能な組織の識別性、それゆえの信頼をあらゆるビジネス関係に組み込むことで、世界貿易を円滑にし、経済成長を加速させると同時に、金融詐欺や企業詐欺、金融排除、マネーロンダリング、テロ資金供与などの脅威への対処が期待されます。
これは、LEIの普及を拡大し、あらゆる地域に対象範囲を広げることから始まり、あらゆる人々にとってグローバルLEIシステムの価値を高めることに繋がります。
また、国境を越えたエコシステムやその他の使用事例(決済、サプライチェーン、ESG、Web 3.0など)において、LEIとそのデジタル版である検証可能なLEI(vLEI)に関して業界の勢いを推進しサポートを継続していく方針です。
最後に、デジタル詐欺やなりすましに対する世界的な戦いへの貢献を含め、企業のデジタル化により新たに生じる複雑なアイデンティティ関連のリスクに取り組んでいきます。
2024年第4四半期を対象とする最新のビジネスレポートのデータでは、LEIの発行件数が第3四半期の6万7,000件に対し、第4四半期には7万6,000件を超えたことが明らかになっています。第4四半期の伸び率は3%と、前四半期の2.7%を上回っています。
ニュージーランド(15%)とオーストラリア(9.2%)は再び、管轄区域レベルで最も高い成長率を記録しました。これは主に、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)が2024年10月に施行した、店頭(OTC)デリバティブ取引報告規則の改正の影響が継続していることによるものです。新しい規則では、取引相手の識別のための唯一の取引主体識別子としてLEIが義務付けられ、AVIDコードと企業識別コード(BIC)の使用は段階的に廃止されます。
取引主体が改正された報告規則に沿ってコンプライアンスを達成しているため、今後四半期については成長率の鈍化が予想されますが、これはオーストラリア市場が世界の他の主要な管轄区域と調和していることを示すものです。これは、デリバティブ市場に透明性をもたらし、カウンターパーティ・リスクを軽減する普遍的な手段としてLEIが機能するという、G20と金融安定理事会の創設ビジョンを反映しています。地域全体で迅速にコンプライアンス遵守が達成された背景には、検証エージェントの広範な世界的ネットワークにサポートされたLEIの効率的な発行があります。
先に述べたように、インドでも継続的な成長(8.5%)を遂げました。サウジアラビア(5.7%)とリトアニア(5.3%)での採用増加は、主に現地のLEI発行者の市場活動によるものでした。
ここ数四半期は上昇していましたが、第4四半期の全体的なLEIの更新率は56.1%に留まりました。EU管轄区域は62.1%と横ばい、EU以外の管轄区域法では46.4%に上昇しました。更新率については、日本が再び最も高く(91.7%)、次いでフィンランド(83.7%)、インド(78.7%)、ドイツ(76.5%)、リヒテンシュタイン(73.3%)となりました。
2024年を通じてLEIの更新が増加した背景には、第1四半期に導入されたPolicy Conformity Flagがあります。このフラグは、LEIレコードが最新であり、関係性報告が完了しているかどうかを世界中のデータユーザーに明確に示すために導入されました。これは、更新を奨励し、取引主体による最新かつ完全なデータ報告を推進するという、規制監視委員会とGLEIFの継続的な取り組みを反映しており、2025年にはさらなる取り組みが計画されています。
2022年3月に導入された新しいLEIデータ形式に関するROCの方針については、政府機関として特定された主体数が、第3四半期の約6,300から第4四半期に5,800に減少しました。国際機関として報告された主体は(第3四半期の64から)68に増加しました。14万2,000件を超える取引主体がファンドの関係性構造を報告しており、前四半期から約2,500件増加しています。
LEI発行の現況と成長可能性、グローバルLEIシステム内のLEI発行組織間の競争水準、レベル1およびレベル2の参照データの詳細を盛り込んだレポート全文については、グローバルLEIシステムビジネスレポートのページをご覧ください。
2022年3月に、規制監視委員会 (ROC) の以下の方針に基づいてCDF形式が更新されたことにご注意ください。取引主体イベント(旧称「企業行動」)とグローバルLEIシステムのデータ履歴 、グローバルLEIシステムにおけるファンドの関係性に関する方針と投資ファンドの登録に関する指針 、一般政府機関のLEI適格性ガイダンス文書 。
日々更新される最新のLEIデータの確認にご興味がある場合、グローバルLEIシステム統計ダッシュボードには発行済みのLEIの合計数と稼働数に関する日次統計が含まれています。この機能により、今ではユーザーは地域別の過去実績データをレビューできるようになり、LEIの進捗状況全体の透明性が高まっています。
詳細について、または過去実績データにアクセスするには、グローバルLEIシステムビジネスレポートアーカイブをご覧ください。2024年も引き続きLEI採用を推進していくため、各四半期の進捗状況についてお伝えできるのを楽しみにしています。
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著者について:
アレクサンドル・ケシュはGlobal Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF) のCEOです。
GLEIF入社以前、アレクサンドル・ケシュは、SIX Digital Exchangeでデジタル証券部門の責任者を務めていました。アレックスは、取締役会のメンバーとして、販売および関係管理、製品開発、ビジネス設計、エコシステムの拡張など、デジタル証券事業部門の全責任を担っていました。
アレックスは過去25年間にわたり、BNY Mellonで金融、SWIFTで決済/証券インフラストラクチャと標準、Onchain Custodian (ONC) と最近ではCiti Venturesでブロックチェーンとデジタル資産を組み合わせたユニークなキャリアを築いてきました。アレックスはONCの共同創設者兼CEOとして、シンガポールと上海を拠点とするチームを率い、暗号資産やその他のデジタル資産の保管およびプライムブローカレッジサービスをゼロから構築しました。Citi Venturesのブロックチェーンおよびデジタル資産担当ディレクターとして、ブロックチェーン技術とデジタル資産の新しいユースケースについて、ヨーロッパのエコシステムと連携するためのチームを構築しました。
アレックスは業界および標準化の取り組みにも携わっています。ISO 24165デジタルトークン識別子(DTI)を制定したISO TC 68/SC8/WG3の議長であり、DTI Foundation製品諮問委員会のメンバーです。また、最近ではグローバルデジタルファイナンス (gdf.io) 保管ワーキンググループの共同議長も務めました。
アレックスは、Onchain Custodianの構築と並行して、翻訳の学士号と、Quantic School of Business and TechnologyのエグゼクティブMBAを取得し、理論を即座に実践に移してきました。
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データ管理 , データ品質 , オープンデータ , 法人形態コードリスト , グローバルLEIインデックス , Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF)