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GLEIFの新しいチャレンジ機能により、希望者全員が取引主体識別子のデータを更新可能に

この新しいオンラインサービスは、取引主体識別子データプールの信頼性や利便性をさらに向上するために設計されています。


著者: シュテファン・ヴォルフ

  • 日付: 2016-07-13
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2016年7月、Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF) は新たなデータチャレンジ機能を追加しました。この簡単で便利な機能により、希望者は誰でも取引主体識別子(LEI)記録および関連する参照データの検証や、必要に応じた素早い更新を開始することができます。この集中型オンラインサービスは、GLEIFの品質管理プログラムの一環で、公開されているLEIデータプールが、世界中の取引主体の標準化された情報に対する固有の鍵となることを保証します。

GLEIFは、一般公開されたLEIデータプールの信頼性や利便性をさらに向上するために作られたGLEIFの当サービスを、LEIデータの全ユーザーが活用することを推奨しています。

概要: GLEIFのデータ品質管理プログラム

LEIにより、金融取引に参加する取引主体を明確かつ一意に識別することができます。LEIを使用して、取引主体の正式名称や登録住所など、一連の参照データにアクセスすることができます。一般に公開されたLEIデータプールは、金融市場の透明性を大幅に高めるための国際的なディレクトリーとみなすことができます。データプールがこの役割を果たすためには、オープンで信頼性の高いデータが欠かせません。

LEIデータの品質維持プロセスは、まず取引主体の登録から始まります。取引主体は自己登録を行い、正確なLEI参照データを提供する必要があります。次に、LEI発行組織(または「付番機関」)は、現地当局(国の商業登記所など)によるLEIデータの確認を経て、LEI基準に適合するLEIを発行する必要があります。LEI発行組織は、登録済みの取引主体や、LEIの取得を希望する取引主体の主な窓口となります。

また、データ品質は毎年のLEI更新プロセスによっても管理されています。取引主体参照データに変更がある場合、取引主体は管轄のLEI発行組織に通知する必要があります。また、毎年の更新プロセスにより、取引主体とLEI発行組織は少なくともこのデータを見直し、再検証を行う必要があります。

GLEIFが公開し、毎日更新するグローバルLEIインデックス(下記の「関連リンク」参照)を使用して、現在までに発行されたすべてのLEIに関する情報へ簡単にアクセスできます。

GLEIFには、LEIデータを監視し、高品質を確保する責任があります。GLEIFのデータ品質管理プログラムにより、LEIデータプールの品質を監視、評価、最適化することができます。 LEIの内容に関するデータ品質の概念を明確にするため、GLEIFはLEI規制監視委員会やLEI発行組織と緊密な話し合いを行い、国際標準化機構(ISO)が開発した基準を使用して、測定可能な一連の品質基準を定義しました。 これらの基準にはLEIデータ記録の完全性、包括性、整合性などが含まれます。一連の品質基準を定義することにより、グローバルLEIシステム内のデータ品質を評価する、透明で客観的なベンチマークを確立します。GLEIFは、現在までにグローバルLEIシステムで達成された高いデータ品質レベルを表す「データ品質報告書」(下記の「関連リンク」参照)を毎月公開しています。

GLEIFの新しいチャレンジ機能により、希望者全員が取引主体識別子のデータを更新可能に

この新しいオンラインチャレンジ機能は、GLEIFのデータ品質管理プログラムにとって重要な追加要素です。

GLEIFのデータチャレンジ機能により、LEIデータの全ユーザーは、LEIコードの一意性や、LEI記録の相互参照の一貫性、関連参照データの正確性や完全性に対する疑念を実証することができます。また、これにより、重複エントリーや、LEIに関連する企業の反応に遅れがある場合にそれを指摘することができます。

GLEIFのウェブサイトを通じてオンラインでチャレンジが記録されると、それに対応するため、GLEIFはただちにその情報を関連するLEI発行組織に送信します。LEI発行組織は、影響を受けた取引主体と協力し、責任を持ってこれを解決する必要があります。必要に応じて、LEI発行者は信頼できる情報源と照らし合わせ、LEI記録の関連情報を更新し、 チャレンジ事項を10営業日以内に解決することを目指します。

特定のLEIに関するチャレンジ事項を送信する方法

チャレンジは、一度に1つのLEIデータ記録について行うことができます(同じ記録について何度でも必要なだけチャレンジを行えます)。複数のLEIデータ記録に対してチャレンジを行う場合は、各記録に対して1つずつ追加のチャレンジを入力することを意味します。

  • GLEIFウェブサイトの右上にある「LEI記録を検索」と書かれたフィールドに、対象となるLEIコードまたは取引主体名を入力します。
  • 「enter」キーを押します。
  • お探しのLEI記録をクリックしてください。このLEIに関連するすべての参照データを含むページが開きます。
  • 「記録に対してチャレンジを行う」をクリックしてオンラインフォームにアクセスし、チャレンジ内容を入力します。
  • オンラインフォームでは、LEI記録に含まれる各データフィールドに対して、誤りを特定したり、データフィールドに記載されるべきその他内容を指定するコメントを入力することができます。
  • オンラインフォームは、チャレンジの際に、LEI記録内のデータの誤りを証明するために提出が必要な証拠の種類を特定します。
  • チャレンジを行うユーザーは、入力したオンラインチャレンジフォームを送信する前に、パスワード保護されたユーザーアカウントを登録し、追跡調査のために連絡先(氏名および電子メールアドレス)を入力する必要があります。チャレンジを行うユーザーの氏名と電子メールアドレスは、チャレンジ対象のLEI記録の管理を行うLEI発行組織に送信されます。

GLEIFのチャレンジ機能に関する詳しい情報は、GLEIFウェブサイトの「Q&A」の項目をご覧ください(下記の「関連リンク」参照)。

公開されているLEIデータプールの信頼性や利便性を継続的に向上するため、私たちはすべての利害関係者やLEI発行組織と積極的に協力を行っていきます。

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著者について:

シュテファン・ヴォルフは、2014~2024年にGlobal Legal Entity Identifier Foundation(GLEIF)のCEOを務めました。2024年3月以降は、国際商業会議所(ICC)の産業諮問委員会(IAB)でデジタル貿易基準の調整、採用、取り組みにまつわるグローバルプラットフォーム、デジタル標準イニシアティブを率いました。IABの議長に任命される前は2023年からIABの副議長を務めており、同年、ヴォルフはドイツの国際商業会議所(ICC)の理事にも選出されました。

ヴォルフ氏は、2017年1月から2020年6月まで国際標準化機構金融専門委員会FinTech専門諮問グループ(ISO TC 68 FinTech TAG)の副コンビナーを務めていました。2017年1月、ヴォルフ氏は、One World Identityが選ぶトップリーダー100人のひとりに選ばれました。ヴォルフは、データ処理およびグローバルな実施戦略の確立に関して、豊富な経験を持っています。彼はキャリアを通じて、主要なビジネスや製品開発戦略の発展をリードしてきました。また、彼は1989年にISイノベーティブ・ソフトウェア社を共同設立し、初代専務取締役を務めました。その後、同社の後継企業であるIS.テレデータAG取締役会のスポークスマンに選ばれました。同社はその後、インタラクティブ・データ・コーポレーションに買収され、ヴォルフ氏は最高技術責任者に就任しました。彼はフランクフルト・アム・マインのJ.W.ゲーテ大学で経営学の学位を取得しています。


この記事のタグ:
Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF), GLEIFデータ品質管理報告書, LEI発行者(付番機関 – LOU), データ品質, データ管理