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取引主体識別子ニュース:2017年8月更新

Global Legal Entity Identifier Foundationは、取引主体識別子の採用に関する最新の世界的動向の概要を提供します


著者: シュテファン・ヴォルフ

  • 日付: 2017-08-17
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ステークホルダーの皆様が取引主体識別子(LEI)の公開に関する世界的な動向を簡単に把握できるようにするために、GLEIFはGLEIFブログを通じて関連情報の更新を行っていきます。このブログ投稿は、2017年5月からのLEIニュースをまとめています。

このブログの引用元は、「関連リンク」にまとめてあります。

法人:LEIを取得すれば、「MiFIDのチェック方式のやり方以上の効果」が得られます

2017年7月、Treasury Todayは、施行を控える欧州連合(EU)市場の第2次金融商品市場指令(MiFID II)と金融商品市場規則(MiFIR)により、LEIの採用の動きが広まらざるを得なくなると強調しました。その記事「LEI:番号だけではない」において、Thomson Reuters Risk Managed Servicesのデータサービス部門グローバル責任者のMark Davies氏は、「LEIを取得すれば、「MiFIDのチェック方式のやり方以上の効果が得られる」としっかりと強調しています。

同記事では、法人に対して2018年1月3日から、引き続き銀行とのデリバティブ取引を締結するにはLEIを保持する必要があることについて注意を喚起しています。「LEIを取得した50万社以上の企業および取引主体の仲間入りをするには、範囲の対象となる法人ならびにその他のすべての当事者は、ISO標準に沿って発行されるコードを取得するには、LEIの付番機関(LOU)に連絡する必要があります。同機関にはGlobal Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF)のウェブサイトでアクセス可能です。」

とはいえ、同記事では、多くの法人にとってLEI取得を迫られている最大の理由は、「MiFID II規制が発効した後、デリバティブを用いた取引をシームレスに継続できるように保証するため」との認識を示しており、あらゆる企業にLEI取得を奨励し、規制の施行やベストプラクティス教育を徹底すれば、「法人は多数の連動的なメリットを得られる」とのDavies氏の主張が引用されています。その他のメリットは以下の通りです。

  • 法人のサプライチェーンの当事者がLEIを保持していれば、取引相手が誰なのか、どのような企業と関係しているのかについて、可視性と透明性が高まります。
  • SWIFTは決済とLEIのリンクに取り組んでいるため、決済分野は、「透明性向上の恩恵を受けるとされます [….][そして] 決済のストレート・スルー・プロセッシングが増えます。また、 BICコードが変更され、[…] LEIに一致していない場合、社内の決済詐欺に対する別の安全装置として機能する可能性もあります。」

Davies氏は、「これらは、金融取引に関与する当事者を明確に識別する能力を持つことにより達成できるほんのわずかなメリットにすぎない」と認めています。

MiFID II / MiFIRが、企業にとってのLEIのメリット拡大を実現する機会を示していることについて、GLEIFは同意します。上記に示した透明性、リスク管理、決済処理の改善に加えて、LEIの採用が広がれば、データ統合とデータ管理が改善されてデータ品質が向上する可能性があります。このため、同様に新しいアプリケーションと新しいビジネスモデルの誕生を促す可能性もあります。

2017年6月、FEI Daily は現在、すべての業界が直面している極めて大きな問題である:「データの大規模な大衆化と、データの使用およびそれが消費者にもたらす力」について取り上げました。多くの既存プレイヤーにおける機敏な対応性が将来残るであろう諸問題に阻まれている銀行セクターやフィンテックにとって極めて有望な未来への約束を提供する変革的テクノロジーに関するその後の検討では、Grant Thorntonの金融サービス・アドバイザリー・プラクティス担当マネージングディレクターの Simon Moss氏は、LEIが今後果たすであろう重要な役割について認めています。Moss氏は、「ブロックチェーンは、サプライチェーンや個人の様々な表示を、単一の共通の識別子で接続することができます」との認識を示しています。同氏は言を続けて、「スタートに最適な地点とは、顧客の単一表示の探索です[….]LEIは、興味深い出発点です。単一の識別子をどのようにして、均質化の必要がないように、また総額数億ドルに達する莫大なデータ統合プロジェクトを通じて統一しないですむようにするには、ただ[同一の顧客の異なる表示の間の]関係性を理解するだけですむのです。生体認証情報に加えて […]、実に興味深いビジネスモデルを現出し始めています。」

Financial IT は、2017年6月に、ブレグジット(英国のEU離脱)の結果として規制後退の潜在的な可能性に直面する中、MiFID IIによる義務付けなどの規制コンプライアンスへのコミットメントで、データ管理の向上に伴うオペレーション面のメリットを実現しうるとの認識が広がっています [...].と報じ、「取引相手へのLEIの使用などの所定の標準の採用に加えて、データモデリングやデータ範囲の重視は[…] – 長期的なメリットをもたらします」、としました。当初のコンプライアンス要件を満たして、データに標準に基づいたアプローチを活用できるようになれば[…] 現在の不経済なデータの重複の大半が消滅するので、組織は、社内の効率性向上を目指すと同時に、データ管理費用に対処する機会を得られます」、ともしました

GLEIFは各法人様に、MiFID IIの規制遵守の期限を、管理プロセスの見直しとデータ品質および管理の向上を目指し、コンプライアンスの範疇を超えてLEIを活用する機会とみなすことをお勧めいたします。GLEIFのウエブサイトで公表されているグローバルLEIインデックスは、公開され、標準化された、高品質の取引主体参照データを提供する唯一のグローバルオンラインの情報源です。グローバルLEIインデックスを、どの市場セグメントでも、活動中の企業、中規模、あるいは小規模の企業さえも識別する参照データを提供する一次資料として確立することは、ビジネスコミュニティ全体にとって、さらに高い効率をもたらす可能性があるでしょう。

カナダ:顧客の識別子に関する条項案

2017年6月、Markets Media は、カナダ投資業規制機構(IIROC)が、[自主規制機関] SRO(およびその他の地方規制機関)において、市場構造をよりよく把握して参加者の行動を追跡できるようにするため、注文時にLEIを義務付ける案を提出した、と報じました。同提案では、6カ月間のコメント募集期間を設けており、IIROCは、LEIを記載する目標が達成されれば、市場の一体性と投資家保護が強化されると述べています。

ITG Canadaの市場構造リサーチ責任者のDoug Clark氏は、Traders Magazineに対して、LEI義務付けの動きがあるなか、監査証跡という考え方は目新しいわけではないとして、次のように述べました。「IIROCは、流通市場での株式取引について、取引所から直接送信されている連結監査証跡(CAT)データにある種近いものをほぼこの10年間保有しています。同機関では、これを市場監視および市場の質についての学究的な調査に活用しています。最近では、注文時にLEIを追加する案を提出しました。」

また、IROCは、すべての報告可能な債券取引と市場でのすべての注文取引について、LEIに対応したバックオフィスのシステム開発、ならびに顧客の識別子を取り入れたシステム開発を要望していると声明しました。

欧州中央銀行:銀行同盟と資本市場同盟の相乗効果、LEIにより資本・銀行市場の透明性が向上

2017年5月19日、ブリュッセルで開催された欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)による欧州の金融統合に関する合同カンファレンスにおいて、ECBのヴィクトル・コンスタンシオ副総裁は基調講演で、資本および銀行市場の統合、透明性、効率性に関してLEIが実現できる価値についての認識を示しました。

「銀行同盟と資本市場同盟は、まさしくEUの金融統合の起爆剤となる中心的な2つの政策イニシアティブです。銀行同盟と資本市場同盟の相乗効果を実現するには、それを支える立法領域での進歩が不可欠であり […] LEIを[…] に使用すれば、資本市場と銀行市場の透明性が高まり、その統合が促進され、効率性と消費者保護が強化されると思われます。」

コンスタンシオ副総裁は以下のように述べました。「LEIの使用義務要件の対象を、特定の市場セグメントだけではなく、金融商品全体に範囲を広げるべきです。証券に加えて、LEIは […] 投資ファンド、金融デリバティブ、ローンにも使用できるでしょう。」

欧州連合(EU):目論見書に関する規則改正で発行者、公開買付者、保証人を識別するためにLEIを義務付け

2017年6月、改正された「2017年6月14日付の証券の公募や規制市場での取引が認められた際に公表すべき目論見書に関する欧州議会および欧州理事会規制(EU) 2017/1129の更新と指令2003/71/ECの廃止」が、EU官報に公表されました。

EUの目論見書に関する新規則では、「投資家が、適宜効率的な方法で信頼性のあるデータを入手して使用して分析できるようにするために、(...) 承認されたすべての目論見書、またはその代わりに専用ウェブサイトのセクションにハイパーリンクによってリンクされた目論見書の一覧を、発行者が属する加盟国の所轄当局のウェブサイトに公表しなければならない、と明記されています。(...)証券を識別する[国際証券識別番号] ISINや、発行者、公開買付者、保証人を識別するLEIなど、目論見書に記載される重要情報は、メタデータの使用時を含めて、機械で読込することが可能になっていなければなりません。」

目論見書規制とは、投資家を保護し、市場を効率化すると同時に、単一資本市場の強化を目指すものです。そうした目標の達成に向けて、目論見書から投資家が入手できる情報は、分析しやすく簡潔かつ包括的であると同時に、十分な量でかつ客観的でアクセス可能でなければなりません。この情報内でのISINやグローバルLEIなどの国際的に合意された標準の使用は、証券とその発行者を識別するために適切であるように思われます。ECBが、目論見書に関する改正規則に対して次のような見解を述べています。「発行者、公開買付者、保証人や、公募証券、または規制金融市場での取引を認められた証券を一意に識別するためには、グローバルなLEIやISINなど、国際標準の使用が欠かせません。」

同規制第7条に言及されているように、LEIの使用の義務化で、証券の発行者、公開買付者、保証人を一意に識別できるため、投資家に重要な情報が提供されます。GLEIFと、協力するLEI発行組織は、LEIの発行によってこの取組みを支援する準備が整っています。

インド:インド準備銀行は店頭デリバティブ市場へのLEIの導入を通知

インド準備銀行(中央銀行)のチーフゼネラルマネージャーのT. Rabi Sankar氏は、2017年6月に、LEIシステムが「インドのインドルピー金利デリバティブ、為替デリバティブ、クレジットデリバティブの店頭(OTC)市場の全参加者に対して、段階的な方法で導入される」と、同行のウェブサイトで正式に確認しました。同氏は、同行のウェブサイトで閲覧できるスケジュールに示された予定通りにLEIを取得する必要があることを、すべての既存の市場参加者と今後参加しうる市場参加者に通知しています。LEIコードを取得していない取引主体は、スケジュールで指定された日付以降は、OTCデリバティブに参加できなくなります。

英国:2017年10月1日から、EU規制市場で認可された証券の発行者はすべてLEIの保持が必要

2017年6月、Lexologyの記事において、Nabarro OlswangのCameron McKenna氏は、以下の認識を強調しています。「2017年10月1日以降、英国のメイン市場のプレミアムまたはスタンダード上場の企業など、EU規制市場で認可された証券の発行者はすべて、株式市場に対して、有効な規制関連の発表を行うためには、LEIを保持する必要があります。」

「2017年10月1日に施行される 開示指針および透明性に関する規則の第6章の新規則に従って、発行者は[…] [金融行動監視機構] FCAに規制対象情報を届け出る際に、授権された規制分類に従って、LEIを提供して、規制対象情報を分類する必要があります。発行者が2017年10月1日より前にFCAに規制対象情報を提出する際にはLEIは必要ありません。ただし、発行者は、それらに関連する情報が[National Storage Mechanism] NSM、稼働している場合には[European Electronic Access Point] EEAP上で閲覧できるようにするため、可能な限り早期にLEIを取得して使用するように奨励されます。また、EEAPは、市場参加者と一般人(エンドユーザー)が、保存された規制対象情報について、公式指名機構(OAM)が保存する規制対象情報を検索できるウェブポータルです。英国のOAMはNSMになります。

米国:

経済分析局は、米国の対外直接投資のベンチマーク調査にLEIを使用することを提案しています。

2017年7月、連邦官報 - 米国政府の日次記録で、商務省経済分析局(BEA)が米国の対外直接投資のベンチマーク調査にLEIに関する質問を盛り込むように提案した規則案の詳細が公表されました。ベンチマーク調査は、5年ごとに実施されます。

「今回の規則案が実現すれば、規制が改正され […] 2017年 BE-12、米国の対外直接投資のベンチマーク調査の報告要件が定められます。[…] 2017年のベンチマーク調査については、BEAは、収集するデータ項目、調査フォームのデザイン、データのニーズの変化、データ品質の改善、データ収集の効果と効率に対応した調査の報告要件の変更を提案しています。」

同案で、BE12AおよびBE12Bフォームに米国の共通支配下にある関連会社のLEIを収集するために、質問を追加することを提案してます。これによって、データベースの取引主体の照合プロセスが促進され、「データ検証の向上と他の調査とこれらの取引主体の公表データへのリンクを実現できる」見込みです。

ホワイトハウスのラウンドテーブル:諸企業が政府データの標準化の向上を要求

Data Coalition は、2017年7月25日木曜日に、ホワイトハウスとオープンデータ企業センターが、経済成長のオープンデータに関するラウンドテーブルを開催したことを報道しました。代表者たちは、ヘルスケア、金融、物流などの業界を代弁し、米連邦政府のデータを民間部門の使用目的でより入手しやすくする方法を提言することを目的にして出席しました。

鍵となる提案は、LEIの全般的採用でした。「各企業は、すべての連邦規制報告体制に対するLEIの統一採用、医療保険および財務情報のリソースへの共通データ・スキームの一貫した適用など具体的な提言を示しました。立法改革に関するData Coalitionによる議会キャンペーン、財務の透明性法、政府のオープンデータ化法は、こうした[…] 提言に厳密に一致します。」

全米先物協会(NFA)、スワップの評価額に関する紛争に解釈通知を採用

全米先物協会(NFA)は、米国のデリバティブ業界全体の自主規制機関であり、画期的かつ効果的な規制プログラムを提供しています。2017年8月、The National Law Reviewは、LEIを標準化情報の一部として、NFAへのスワップ評価額の紛争届け出のプロセスに形式を与えている、最近採用された解釈通知にLEIの記載が義務付けられたと報じました。解釈通知は、2018年1月2日以降に提出が必要な紛争通知に対して適用されます。

「NFAの解釈通知は […] (該当する場合)NFAの識別子、LEI、紛争報告日、紛争の種類、紛争の終了日、レシーバー/ぺイヤー、紛争金額、CSA/ネッティング契約の識別子、取引相手の名称、取引相手のLEIまたは、プライバシー法の識別子、固有スワップ識別子、基準通貨の想定元本額、基準通貨コード、ドル建て換算の想定元本額、資産クラス、商品の種別などの、当該通知に記載する必要がある情報を標準化しています。」

グローバル:

金融安定理事会はOTCデリバティブ市場改革に関する第12回進捗報告書を公表

金融安定理事会(FSB)は、効果的な規制、監督およびその他金融セクターの方針の策定と導入の推進を目指し、国家の金融当局や国際標準化団体の作業の国際レベルでの調整を図るために設立されました。金融安定理事会が、GLEIFを設立しました。

2017年6月、FSBは、世界におけるLEIの現状とその理解に関する最新情報を示した「OTCデリバティブ市場改革に関する第12回進捗報告書」を公表しました。

同報告書によると、LEIは現在、40の管轄区域の規則に組み込まれており、そのうちの14はFSBの管轄区域になります。2017年5月末までに、200カ国の513,177社を超える取引主体はLEIを取得済みで、そのうちの376,064社は、FSB加盟国の管轄区域になります。その数字から、LEIの対象範囲がここ数年間で広がったことが明らかになっています。

2017年5月から、「グローバルLEIシステム(GLEIS)は、取引主体の直接親会社および最終親会社についてのデータ収集を開始しました。当局は、LEIの理解とその更新の進捗を引き続きモニターしており、必要に応じ措置を講じる可能性があります。また、GLEISの参加者は、登録エージェントのシステム構築、更新の促進、期限切れのLEIのモニタリング、運営を停止した取引主体の区別の改善に取り組んでいます。」

同報告書は、他の管轄区域の一部ではLEIをまだ取得していないため、「EUの取引相手は、LEIを使用してEU域外の取引相手を特定する際に厳しい状況に直面している」との主張を展開しています。とはいえ、LEIは管轄区域の多様な場所で採用されているため、移行上の問題があります。

グローバルLEIシステム標準:LEI規制監視委員会はコーポレートアクションとデータ履歴に関する協議に着手

2017年7月26日、LEI規制監視委員会(LEI ROC) は、グローバルLEIシステム(GLEIS)の中のコーポレートアクションとデータの履歴に関するパブリックコンサルテーションを開始しました。コンサルテーションでは、GLEISの中のデータに影響を与える名称と所在地の変更、合併、スピンオフなど17のコーポレートアクションに焦点を当てています。コンサルテーションに対する回答は、2017年9月29日業務時間終了までに、leiroc@bis.org宛に送信してください。以下は、コンサルテーション文書から抜粋した要旨になります。

2016年、LEI ROCは、「評価・標準委員会の下に作業部会を結成し、コーポレートアクションがGLEISに記録された取引主体の参照データにどう影響するかについて評価しました。Global LEI Foundation (GLEIF)、GLEISの付番機関(LOU)、LEI ROCの民間部門準備グループと協議を重ねた後、ROCは、GLEISのデータ、取引主体の参照データ、関係データまたは実体に影響しうるコーポレートアクションを17件特定しました。これらのコーポレートアクションの一部は、少なくとも部分的に、既にGLEISに記録されたデータによってカバーされています。しかし、LEI ROCは、これらのコーポレートアクションで収集される情報に関して改善可能な点、この情報をどう入手すべきか、データをその後の使用のためにどう分類するかを特定しています。GLEIS内の関係および参照データは、現在から過去、そしてGLEISの過去から現在の取引主体のエントリー日の両方からみて、取引主体の変化および他の取引主体とのその関係に対する分析と可視化を実現できるほど精度を細かくしなくてはなりません。このコンサルテーション文書については、これらの改善可能な点について、以下を対象にしたパブリックコメントを募集しています。

  • 社名、商号、登記住所、本社住所の変更について、ならびに海外支店の子会社への変更(および子会社から海外支店への変更)、資金に影響する一部の変更について、(i)GLEISのエンドユーザーが検索しやすくなるように企業の発生事象とコーポレートアクションに起因するデータ記録変更の履歴の提供、および(ii)(変更がシステムに記録された時ではなく)変更の効力発生日にLEIの参照データを追加すること、が提案されています。当文書では、提案された一部の新しい要素に対して、同じ案が適用される見込みです。
  • 合併に関して、GLEISは現在、被合併会社の後継企業に関する情報への簡便なアクセスを提供しており、被合併会社の再検索をしやすくすることが提案されています。
  • 複雑な買収に関して(逆買収)について、どのLEIを存続すべきか、登録者が選択権を持つべきかどうかの意見を求めています。
  • スピンオフ関係の創出の把握、この報告は任意になる可能性があるでしょう。この可能性に関して、また重大な基準点を適用すべきか否について意見を求めています。
  • 法的には依然として存在しているが稼働していない取引主体を適切に取り込むために、稼働していない企業の定義を明確化することが想定されています。この区分が設けられれば、現時点で消滅した状態にある取引主体を適切に分類できるようになるかもしれません。
  • また、特定のデータ要素を追加して取引主体が清算中であるという、シグナルを追加すべきかについても意見を求めています。
  • 報告主体が結果的に消滅(合併、解散)したために、当該事業が報告できなくなるコーポレートアクションに関して、(コーポレートアクションのデータフィードなど)情報を更新する代替のソースと手段の導入が提案されています。この案を導入すれば、「消滅」が実際には不稼働や失効であるのに、取引主体が現時点で表示されているケースを検知できるでしょう。また、こうしたアプローチは、(自己登録のプロセスを通じて)影響を受ける取引主体が潜在的な変更を通知してLEI記録の更新を引き出す際にLOUにとって費用に対して効果的な方法を策定すれば、GLEIS内のデータ全体の適時性と質の向上に寄与する可能性があるでしょう。

ISDAとGFMAはEU域内外の企業にMiFID II / MiFIRの遵守を保証するために行動するように注意を喚起

国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)とグローバル金融市場協会(GFMA)は、欧州の規制に基づきLEIの取得をまもなく義務付けられる市場参加者に対してリマインダーを公表し、これが多くの場合、EU域外の取引主体にも今後適用されることを強調しています。これらの団体は共に、大企業や中小企業に遵守を保証するために行動するように呼び掛けています。

GLEIFは、この助言について十分に調整を進めており、市場参加者が、可能な限り早期にLEIを取得して、施行を控えるMiFID II / MiFIR を遵守しなければならないことを改めて強調いたします。(企業が)期間内に取引主体識別子(LEI)を取得できない場合、企業は、2018年1月3日からEU域内で適用される報告要件に準拠できなくなります。

2017年11月1日から、欧州市場インフラ規制(EMIR)に基づき、EUの取引情報蓄積機関は、LEIを記載していない取引報告書を拒否するように義務付けられる予定です。

LEI発行組織は、LEIを取得する必要のある法人と登録エージェントとしての役割に関心を持つ企業の双方を支援するために十分に準備を重ねています。(LEI発行者ネットワークへのアクセスを促すために、GLEIFが導入した登録エージェントの概念の詳細については、以下の「関連リンク」をご参照ください。)MiFID II / MiFIRの発効に間に合うようにLEIが確実に発行されるようにするために、事前計画を立てて早期登録することを強く推奨します。 登録が2017年第4四半期まで先送りされた場合、MiFID II / MiFIRの期限前までのLEIの発行は保証できません。

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著者について:

シュテファン・ヴォルフは、2014~2024年にGlobal Legal Entity Identifier Foundation(GLEIF)のCEOを務めました。2024年3月以降は、国際商業会議所(ICC)の産業諮問委員会(IAB)でデジタル貿易基準の調整、採用、取り組みにまつわるグローバルプラットフォーム、デジタル標準イニシアティブを率いました。IABの議長に任命される前は2023年からIABの副議長を務めており、同年、ヴォルフはドイツの国際商業会議所(ICC)の理事にも選出されました。

ヴォルフ氏は、2017年1月から2020年6月まで国際標準化機構金融専門委員会FinTech専門諮問グループ(ISO TC 68 FinTech TAG)の副コンビナーを務めていました。2017年1月、ヴォルフ氏は、One World Identityが選ぶトップリーダー100人のひとりに選ばれました。ヴォルフは、データ処理およびグローバルな実施戦略の確立に関して、豊富な経験を持っています。彼はキャリアを通じて、主要なビジネスや製品開発戦略の発展をリードしてきました。また、彼は1989年にISイノベーティブ・ソフトウェア社を共同設立し、初代専務取締役を務めました。その後、同社の後継企業であるIS.テレデータAG取締役会のスポークスマンに選ばれました。同社はその後、インタラクティブ・データ・コーポレーションに買収され、ヴォルフ氏は最高技術責任者に就任しました。彼はフランクフルト・アム・マインのJ.W.ゲーテ大学で経営学の学位を取得しています。


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データ管理, LEI ニュース, 店頭(OTC)デリバティブ, ポリシー要件, 標準, 規制, コンプライアンス, MiFID II / MiFIR, Regulatory Oversight Committee (ROC)