ISO 20275: 法人形態コードリスト
GLEIFは、50以上の管轄区域における1,600以上の法人形態が掲載されている初版を2017年11月にリリース
Global Legal Entity Identifier Foundationは、 「法人形態 (ELF)コードリスト」(Entity Legal Forms (ELF) Code List) を発行しています(以下でダウンロードできます)。2017年11月にリリースされたこの初版には、50以上の管轄区域における1,600以上の法人形態が掲載されています。法人形態には、Limited liability partnership(LLP)、Gesellschaft mit beschränkter Haftung(GmbH)、Société Anonyme(SA)などがあります。ELFコードリストでは、各法人形態に固有のコードを割り当てています。ELFコードは、基本のラテン文字を使った4文字の英数字コードです。
グローバルLEIインデックス内で利用できる、取引主体についての規格化された参照データ一式にELFコードを統合することで、各取引主体識別子(LEI)レコードに含まれる名刺情報をさらに強化できます。データが豊富になったことで取引主体の種類分けがしやすくなり、グローバルな市場についての洞察が得やすくなるため、ユーザー体験が向上します。
ELFコードリストに掲載されている法人形態は、GLEIFが実施した調査に基づいて特定されています。世界中に存在する法人形態を特定する作業は現在も進行中です。GLEIFでは、ELFコードリストの最新版をこれからも定期的に公開していく予定です。
ISO標準20275「金融サービス – 法人形態(ELF)」
ELFコードリストは、国際標準化機構によって策定されたISO標準20275「金融サービス – 法人形態(ELF)」(以下の「関連リンク」を参照)に基いています。2017年7月に公開されたこの標準は、ISOによると、「管轄区域内の別個の法人形態を特定するための一義的な体系の要素を定め、管轄区域内の法人形態のコード化を可能にすることで、その形態に従った取引主体の分類を容易にすること」を目的としています。このISO標準では、法人形態を「法制度または規制制度の下で形成された組織をその制度内で位置付ける主体の種類のこと」として定めています。
ISOは、主体の法的形態を理解することについて、「金融サービス取引の重要な構成要素であり、取引関係に入るには、取引相手である主体の種類を識別する必要があります。金融取引に関与する当事者(およびその組織構造)は、こういった取引内で特定されなければなりません。法的または組織的構造を規格化することで柔軟性を高め、リスクの負担と資本へのアクセスをよりよく把握できるようになります」と指摘しています。
また、「規制当局や市場参加者は、国内および全世界市場を通じて一貫して法人形態を特定することの必要性を認識し、このニーズを満たすための規格の策定を求めてきました。このISO標準20275は、中でも特に、主体がその法的構成の性質に応じて分類されるよう、構造化された方法で法人形態を特定するという必要性を満たすものです」と述べています。
ELFコードリストの維持におけるGLEIFの役割
ISOは、ISOメンバーとISO技術委員会68金融サービスのメンバーで構成されるISO 20275標準に関連する維持機関を設置しています。維持機関事務局にはスイス規格協会(SNV)が任命されており、SNVは、「維持機関の事務局としての義務の達成」と関連任務の遂行をGLEIFに割り当てています。その中でも特に、GLEIFは、既存の法人形態を特定し、ISO 20275標準に従って各法人形態に固有のELFコードを割り当てる責任を負っています。ISO標準の維持機関についての詳細は、以下の「関連リンク」をご覧ください。
ELFコードリストに含める法人形態を提案したいという関心のある当事者は、elf@gleif.orgまでメールにてご連絡ください。
ELFコードリストの導入
今後は、LEI発行組織が、そのLEI発行プロセスや報告で、このコードを参照することになります。
LEI共通データファイル(CDF)フォーマットは、LEI発行組織がそのLEIおよびレベル1参照データ(「誰が誰か」という質問に答える、取引主体に関する名刺情報)を報告する方法を定義しています。ELFコードの構造は、LEI-CDFフォーマットバージョン2.1に組み込まれています。
GLEIFは、管轄区域内の特定の取引主体に該当するELFコードが存在することを条件に、LEI発行者がELFコードリストに準拠しているかどうかを監視していきます。2018年3月1日より、新しく発行されるLEIには該当するELFコードの指定が必要です。
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著者について:
シュテファン・ヴォルフは、2014~2024年にGlobal Legal Entity Identifier Foundation(GLEIF)のCEOを務めました。2024年3月以降は、国際商業会議所(ICC)の産業諮問委員会(IAB)でデジタル貿易基準の調整、採用、取り組みにまつわるグローバルプラットフォーム、デジタル標準イニシアティブを率いました。IABの議長に任命される前は2023年からIABの副議長を務めており、同年、ヴォルフはドイツの国際商業会議所(ICC)の理事にも選出されました。
ヴォルフ氏は、2017年1月から2020年6月まで国際標準化機構金融専門委員会FinTech専門諮問グループ(ISO TC 68 FinTech TAG)の副コンビナーを務めていました。2017年1月、ヴォルフ氏は、One World Identityが選ぶトップリーダー100人のひとりに選ばれました。ヴォルフは、データ処理およびグローバルな実施戦略の確立に関して、豊富な経験を持っています。彼はキャリアを通じて、主要なビジネスや製品開発戦略の発展をリードしてきました。また、彼は1989年にISイノベーティブ・ソフトウェア社を共同設立し、初代専務取締役を務めました。その後、同社の後継企業であるIS.テレデータAG取締役会のスポークスマンに選ばれました。同社はその後、インタラクティブ・データ・コーポレーションに買収され、ヴォルフ氏は最高技術責任者に就任しました。彼はフランクフルト・アム・マインのJ.W.ゲーテ大学で経営学の学位を取得しています。
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法人形態コードリスト, Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF), 標準