GLEIFはグローバルLEIシステムで達成されたデータ品質の透明性を最大化するために、データ品質管理プログラムを強化
最新の月次データ品質報告書において、GLEIFは、より詳細なパフォーマンス分析を実現する複数の新機能を紹介しています
取引主体識別子(LEI)が他の固有識別子と区別される主な特徴は、グローバルLEIシステムで達成済みのデータ品質の水準に関して、完全な透明性を提供していることにあります。以下の月次報告書を提供することにより、これを実行しています:
グローバルLEIデータ品質報告書は、グローバルLEIシステムで達成済みの全体的なデータ品質の水準を示しています。
LEI発行者のデータ品質報告書は、個々のLEI発行組織で達成済みのデータ品質の水準を分析しています。
2017年12月5日に発行された最新の報告書において、 Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF)は、より詳細なパフォーマンス分析を実現する複数の新機能を紹介しています。
このブログでは、GLEIFのデータ品質管理プログラムに対する直近の改良点について説明されており、これはLEIデータの品質、信頼性、有用性を最大化することを意図しています。これにより、市場参加者は、LEIのデータプール内で利用できる豊富な情報の恩恵を受けられます。
月次報告書およびその他参考資料へのリンクは、以下の「関連リンク」に記載されています。
グローバルLEIシステムのデータ品質の水準を測定するために新しいデータ品質基準を適用
概要: LEIデータの品質維持プロセスは、まず取引主体の登録から始まります。取引主体は自己登録を行い、正確なLEI参照データを提供する必要があります。次に、LEI発行組織(または「付番機関」)は、現地当局(国の商業登記所など)によるLEIデータの確認を経て、LEI基準に適合するLEIを発行する必要があります。
取引主体がLEIを取得すると、発行元の付番機関が、関連する取引主体参照データとともにそれを公開します。各付番機関は、発行したLEIや関連する参照データを含む更新済みファイルを毎日公開します。GLEIFは、当局の中央リポジトリーの関連参照データなど、過去および最新のLEI記録が含まれているグローバルLEIインデックスを利用できるようにしています。
GLEIFのデータ品質管理の目標は、オープンで信頼性の高いLEIデータと取引主体参照データを提供することです。LEIの内容に関するデータ品質の概念を明確にするため、GLEIFはLEI規制監視委員会やLEI発行組織と緊密な話し合いを行い、国際標準化機構(ISO)が開発した基準を使用して、測定可能な一連の品質基準を定義しました。これらの基準にはLEIデータ記録の完全性、包括性、整合性などが含まれます。定義された品質基準を定めることにより、グローバルLEIシステム内のデータ品質レベルを評価するための、透明性が高く客観的な基準を確立します。
2017年12月5日に発行されたデータ品質報告書において、GLEIFは2つの新しいデータ品質基準を導入しました:
一貫性:固有のデータ部分が複数のデータセットとどれだけ同じ値を持っているかを表します。
最新性:データがどれぐらい最新のものであるかを表し、特定の時点で最新であればデータ値は最新であり、以前は最新であったがその後不正確になった場合はデータは古くなっています。
合計して、132 個のデータ品質の確認項目を定義しています。LEI発行組織が提供するLEIデータの記録が規定の品質基準を満たしているかどうか、GLEIFが開発したソフトウェアを使用して確認を行います。GLEIFは、パフォーマンス評価の結果を詳述した日次報告書をLEIの発行組織に送信します。
更新された文書に記載されるグローバル LEIシステムのデータ品質評価に適用される手法に関する詳細情報
文書 「データ品質規則の設定」(Data Quality Rule Setting ) は、品質基準に照らして行われる確認について記載されています。毎月のGLEIFデータ品質報告に反映される品質評価結果は、これらの確認の結果に基づいています。2017年12月、GLEIFは文書の更新版を発行し、現在は 完全に機械で読込可能です。
さらに、GLEIFは 「データ品質報告書ディクショナリ」を提供しており、(Data Quality Report Dictionary ) これはそれぞれ グローバルLEIデータ品質報告書とLEI発行体データ品質報告書に関連しており、データ品質基準の実務への適用が説明されています。興味のある当事者は誰でも、毎月のデータ品質報告書に含まれる数値がどのように計算され、計算がどのように実施されているかを調べることができます。同ディクショナリの更新版も同様に、2017年12月に公表されました。
新しい追加情報がご覧いただけけるグローバルLEIデータ品質報告書
LEIデータ品質国別のヒートマップ(グローバルLEIデータ品質報告書 - 2017年11月)
2017年11月30日現在のグローバルLEIシステムのデータ品質全体を評価する2017年12月5日に発行された報告書から、グローバルLEIデータ品質報告書は、以下の既存および新規情報を提供いたします:
報告期間内のLEI合計データ品質スコアこのスコアは、報告期間中に規定の品質基準を満たしていることが確認されたLEIのデータ記録の割合を表しています。
LEI合計データ品質スコアに基づく、グローバルLEIシステム内のデータ品質の継続的な最適化に関する進捗新規: 報告期間内に達成済みのLEI発行者の最低スコアと最高スコアも含まれます。
新規: 報告期間内に達成した国ごとの合計データ品質スコア。また、報告書では、世界中のLEIデータ品質の国ごとのヒートマップも取り上げます。
GLEIFによる、適用される品質基準に基づくLEIデータ記録の確認結果(検査に合格した記録の割合など)新規: 報告書では、データ品質基準ごとの確認事項の不合格数と影響したLEIの記録数を明らかにします。
必要とされる明確な品質の成熟度を満たすLEIデータ記録の割合。報告書の右側にある成熟度チャートは、以下の成熟度に関する結果を示しています:レベル1 - 「必要とされる品質」(すべてのデータ記録で100%になっている必要があります)、レベル2 - 「期待される品質」(100%になっている必要があります)、レベル3 - 「素晴らしい品質」(なるべく高い数値が求められます)。新規: 前月の成熟度は、傾向として表示されます。
新規: 報告期間内の「レベル2」データ、二重付番およびチャレンジに関する情報。背景情報について:2017年5月、「誰が誰の親会社なのか」という質問に答えるレベル2データをLEIデータに含めるための拡張プロセスが開始されました。このデータは、個々の企業が所有する事業体を調べることができるように、直接の親会社と最終親会社を特定すること、またその逆も可能にします。報告書の「二重付番」セクションでは、以下の問題が特定されています:適用ポリシーに沿って、1つの取引主体につき LEI は1つでなければなりません。たとえば、1つの取引主体がLEIを3つ保有していることが特定された場合、これらの2つは二重付番と記録されます。二重付番のLEIは、 グローバルLEIインデックス において登録ステータスにフラグがつけられます。GLEIFが提供する集約的なチャレンジ機能により、希望者全員がLEIデータの更新を開始することができます。
新規: セクション「不合格が多かった上位5つの確認項目」では、GLEIFが行ったこれらのデータ品質の確認で不合格となったLEI記録数の上位が記載されます。報告書では、データ品質の確認タイプは、数字で示されています。文書「データ品質規則の設定」には、どの特定の確認事項が報告書に表示される数字と対応しているかが示されています。
2017年12月5日に発行された最新のグローバルLEIデータ品質報告書からは、2017年11月に発行されたLEIが10万件を超えましたが、総データ品質スコアは当月も99%超を維持したことが明らかになりました。評価は、新たに厳格化されたルールに基づいています。
2017年に、GLEIFは新規発行されたLEI件数は前年の10倍だったにもかかわらず、データの一貫性と妥当性に関する実績が向上したことを実証しました。GLEIFのデータ品質管理プログラムは、固有の識別子管理について、オープンで信頼性の高いデータの提供においてLEIが最高基準を維持するための手段です。
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著者について:
シュテファン・ヴォルフは、2014~2024年にGlobal Legal Entity Identifier Foundation(GLEIF)のCEOを務めました。2024年3月以降は、国際商業会議所(ICC)の産業諮問委員会(IAB)でデジタル貿易基準の調整、採用、取り組みにまつわるグローバルプラットフォーム、デジタル標準イニシアティブを率いました。IABの議長に任命される前は2023年からIABの副議長を務めており、同年、ヴォルフはドイツの国際商業会議所(ICC)の理事にも選出されました。
ヴォルフ氏は、2017年1月から2020年6月まで国際標準化機構金融専門委員会FinTech専門諮問グループ(ISO TC 68 FinTech TAG)の副コンビナーを務めていました。2017年1月、ヴォルフ氏は、One World Identityが選ぶトップリーダー100人のひとりに選ばれました。ヴォルフは、データ処理およびグローバルな実施戦略の確立に関して、豊富な経験を持っています。彼はキャリアを通じて、主要なビジネスや製品開発戦略の発展をリードしてきました。また、彼は1989年にISイノベーティブ・ソフトウェア社を共同設立し、初代専務取締役を務めました。その後、同社の後継企業であるIS.テレデータAG取締役会のスポークスマンに選ばれました。同社はその後、インタラクティブ・データ・コーポレーションに買収され、ヴォルフ氏は最高技術責任者に就任しました。彼はフランクフルト・アム・マインのJ.W.ゲーテ大学で経営学の学位を取得しています。
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データ管理 , データ品質 , GLEIFデータ品質管理報告書 , Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF) , レベル2 / 関係データ(誰が誰の親会社か) , オープンデータ , 標準