LEIデータ LEIデータへのアクセスと利用

方針適合フラグ

グローバル金融市場の透明性を高めるための方針適合フラグに関するイニシアチブ

世界の金融市場における透明性向上の必要性

世界経済は、これまでにない規模のID関連不正行為と闘っています。このようなデジタル犯罪が増加すれば、世界中で金融被害が発生し、取引先組織間、特に国境や管轄区を越えて業務を行っている組織間の生命線とも言える信頼関係が破壊されます。さらに、金融危機により、当局や参加者が金融リスクを適切に追跡するために、金融取引の当事者を一意に識別し、取引主体間の相互の関係を記述する必要があることも明らかになりました。

不正リスクを最小限に抑えて透明性を高めるための新しい取り組み:方針適合フラグ

方針適合フラグは、オープンで標準化された高品質の取引主体参照データを利用者が入手できるよう、取引主体による最新かつ完全な報告を通じて、取引の透明性向上を奨励・促進する絶好の機会です。これにより、市場参加者間の透明性と信頼を最大化できます。

方針適合フラグの紹介

方針適合フラグは、世界各地のデータ利用者が個々のLEI記録が特定の規制監視委員会(ROC)の方針に適合しているか否かを判断するためのシンプルで明確なツールです。「適合」のラベルが付されたLEIは、以下の基準が(関連する便益とともに)満たされていることを示します:

  • LEI登録が現在有効である – LEI登録が適時に更新されています。
    • グローバルなマーケットプレイスとデータ駆動型投資における取引主体の識別可能化を加速する
    • 特に越境取引における、最新の当事者情報によるデューデリジェンスの容易化
  • レベル2の報告が完了している – 取引主体が、その直接の親会社および最終親会社に関するデータを報告しているか、またはこのデータを報告していない理由として許容される理由のいずれかを提供している。
    • 取引主体間の関係を利用したリスク検出・監視能力の向上
    • 企業の透明性を測る使いやすい尺度

取引データの綿密な監視を可能にし、所有構造をより明確にすることで、「適合」ステータスを持つ取引主体は、透明性への揺るぎないコミットメントを示すことができます。また、適合ステータスは、パートナーや他の組織に対し、その取引主体のLEIが、デューディリジェンスチェック、オンボーディングなどの取引先関連プロセスを信頼性の高い形で合理化し、取引を容易にするために使用できることを示すものでもあります。対照的に、「不適合」とラベル付けされたLEIは、取引主体がLEI記録を更新する必要があることを示します。

方針適合フラグはデータ品質の指標ではありません。データ品質の面では、方針適合フラグは、公表されたファイルフォーマットおよびライフサイクルルールへのLEI記録の技術的コンプライアンスを評価するグローバルLEIシステムのデータ品質管理プログラムを補完します。

方針適合フラグの利点

透明性へのコミットメントを実証し、該当するLEI記録の登録データが最新であり、関係性報告を含む完全なものであることを実証する権限を取引主体に与えることにより、グローバルなビジネスコミュニティにさまざまな利益がもたらされます:

  • 金融犯罪への対策 – 方針適合フラグは、重要なデータセットの効率的な共有と照合を可能にする正確性と完全性の向上を促進し、金融犯罪の検知と対策に必要な分析機能の強化を可能にします。
  • 市場リスクの監視 – 方針適合フラグは、相互関係の検出を容易を可能にし、金融市場のリスクを監視するために必要な分析を支援します。
  • オペレーション・プロセスの強化 – 方針適合フラグによって、よりタイムリーな分析などのオペレーション・プロセスに関連する方針コンプライアンスの透明性が向上します。これにより、取引の失敗が減少し、データセットの接続、照合、クリーニング、および集計のコストが抑えられ、レポート作成コストも削減されます。

取引主体は、自社のLEIがグローバルLEIシステムにおけるROCの方針に適合していることを確認するための措置を取ることが奨励されます。重要なのは、「適合」とラベル付けされたLEIにより、取引主体は、シンプルかつ合理的な方法で、無数の国際規制の基本的なコンプライアンスを確保できるということです。

ROC適合フラグの利用方法

方針適合フラグのイニシアチブは、主に2つの要素で構成されています。インタラクティブな ダッシュボード は、全世界の適合レベルを示し、グローバルLEIシステムのデータ品質管理を積極的かつ透明性の高い方法で支援しています。

また情報は、LEI検索 の詳細、GLEIFゴールデン・コピーファイル、およびGLEIF APIにも含まれており、データユーザーは個々のLEI記録がROCの方針に準拠しているかどうかを簡単に識別できます。

出版物

Financial Action Task Force (FATF)

Opportunities and Challenges of New Technologies for AML/CFT

Bank for International Settlements (BIS) Innovation Hub

BIS concludes Project Aurora, a proof of concept based on the use of data, technology and collaboration to combat money laundering across institutions and borders

DeNederlandscheBank

dnb Analyse- Measuring Intra-bank complexity by (not) connecting the dots with LEI.

McKinsey Technology

Report: Mckinsey Techonology Trends Outlook 2023

Bank of England

How the Bank of England is Driving Trust and Transparency with the LEI

The Paypers

Financial Digitalization and Its Implications for ASEAN+3 Regional Financial Stability

European Central Bank (ECB)

OPINION OF THE EUROPEAN CENTRAL BANK of 1 February 2023 on a proposal for a regulation amending Regulations (EU) No 260/2012 and (EU) 2021/1230 as regards instant credit transfers in euro (CON/2023/4)